会社、コンクリート。帰ったら、使い分けの家。妻、美人。
漸く明け方位は少し涼しくなってきましたが、昼は相変わらず。今日来た電気使用料金が凄い事に――っヽ*1ゝこんな金額初めて見た…(((( ;°Д°))))来年はもっと…て事になるのかしら…。
蘭厳しめSSです。蘭ファンはバックプリーズ。
新一達が入籍してから、結婚式と披露宴の準備の為に有希子はアメリカと日本を数回往復していた。
優作は流石にずっと日本にいる訳にはいかず、有希子も延々夫を放ってはおけず、かといって可愛い可愛い息子と嫁、そして阿笠夫妻の一世一代の晴れ舞台に全く関わらずにいるなどあり得ない。
それに優作と共に「任せておけ」と言った事もある。優作も忙しい合間を縫って二度ほど帰国していた。
とても忙しく、けれどとても充実した幸せな日々だった。
そうして卒業式も終わり、いよいよその晴れ舞台が間近に迫ってきた。
二ヶ月ほど前、降谷に提案された事に、二人で乗った。
それは二人から蘭への唯一、目に見える形での復讐だった。尤も向こうはそんな事にまで気が回る事もなかっただろうが。
“本当は、私に復讐なんてする権利はないんだけど”
蘭を特別扱いしすぎていたという自覚はあった。
ただ、それが蘭の中で「相手からの好意」ではなく「貰って当然の権利」にすり替わっていたのだとは、全く予想外だった。
“まさか私達が渡米してから、際限なく新ちゃんに集っていたなんて思う訳ないじゃない”
それに拍車をかけたのが、新一の蘭への盲目な恋心だった。
余りにも行き過ぎていた時には、彼も多少の苦言は呈していたようだが、そこは惚れた弱み。結局は(泣き落としや空手での脅しがあったにしろ)蘭の言いなりになっていた。
“優作は新一の優秀さに、私は母親としての子ども可愛さ、そして親友の娘という前提に、目が曇っていた”
蘭の躾、教育など、自分達に責任がある事ではないが…それでも干渉しすぎていたのだろう。
空手の濫用や、精神年齢の低さに関してはともかく、金銭感覚を狂わせてしまった一因は自分達にもある。
“でも…園子ちゃんには親友でいたいからなんて言っておいて、新ちゃんにはこれっていうのもねぇ…”
尤も、新一への蘭の所業を知ってから自分達の伝手で雇った数人の探偵からの報告では、園子には即物的な集り方はしていなかったものの、コネは使いまくりだったらしい。
“高校生にもなれば、園子ちゃんのバースディ・パーティ位ならともかく、「鈴木財閥」の名を冠したパーティやレセプション何かは、辞退するのが普通じゃないかしら?”
明らかに場違いなのに。
主催者は園子ではないのだ。そして蘭がいる事で園子の行動にも制約が出来、結果としてそれが園子の評価にも影響を及ぼすというのに。
“あの年齢は、自分の都合によって大人と子どもを使い分けるものだけれど…”
園子にも問題がなかった訳ではないが、その部分はそれこそ彼女の両親が忠告すべき事だっただろう。
“それでもね…少しは悪かったと思っているのよ”
金銭感覚を狂わせた事。
そのせいで新一や園子との距離感を見失わせてしまった事。
そういう状態にしておきながら、それに気付かずに渡米という形で放置してしまった事。
小五郎や英理の関係も、親友と言いながら何一つ、さりげない助言さえしなかった。
自分達の歪みが、「毛利蘭」一人に集約されてしまったような形だ。
かといって、蘭を許せるかと言えば…頷けない。
“だって、私は工藤新一の母親だから”
彼の幸せを一番に願う。
彼に蘭がした事を思えば、その原因の一端が自分達にあるとしても、笑って受け入れられる筈がない。
“だからね、蘭ちゃん。私達が生きている内に貴女があの島から出られたなら、貴女が社会復帰出来るように根回し位はしてあげる。フフ…「してあげる」なんて、貴女みたいな言い回しね。勿論、新ちゃん達に近づけさせはしないけど、最低限、自分一人養える位にはなれる筈”
あの島を出るという事は、『他人の有難み』を知り、その上で『他人を思いやる』事が出来る事になったという事だから。
これは優作と話し合って、決めた事。
彼は随分渋っていたけれど、「自分達」(つまりどちらかだけでも他界したら効力を失う)が生きている内という時間制限と、新一達には決して近づかせないという条件で、呑んで貰った。
“私も大概、身勝手な女ね”
かつては、蘭の義理の母にもなるつもりがあったのだ。
だからこれが、娘になり損なった少女への有希子の罪滅ぼし。
“さぁ、もう寝ないと”
この年齢になっても、まだ自分は「華」として扱われる存在だ。寝不足が続いて、当日冴え無い顔やお肌の状態で出席なんて出来よう筈がない。
それでは、新一達にも恥をかかせてしまう事になる。
“ありがとう、何時かの哀ちゃん。そして今は志保ちゃん。新一を理解し、支えてくれて。貴女だってとても辛かったのに、蘭ちゃんの言動に傷ついていた新ちゃんを癒してくれて”
今度は「娘」の可愛がり方を間違えたりはしない。
今までで一番、長い気がします…。
そういえば使い分けってどうなったの?
続いて英咲さんの竿。こちらは340gと軽め。それでありながら、80gのダイペンなんかは軽く投げれる面白い竿。
このルアー達は俺の1軍ルアーです。
*1:◎д◎